「ひどいなあ、久しぶりの再会や言うのに」

荒畑はフフッと笑った。

「まあ、喜ぶのはもう少し後にしとこうかね。

面会時間は15分しかあらへんからのう」

荒畑は宗助を見つめると、
「今回の雑誌記者殺害の事件やけど、玉井くんはやっとらんのね?」
と、聞いた。

「荒畑さんも僕を疑っているんですか?」

そう言い返した宗助に、
「疑っておらんわ、念のために聞いたんや」

荒畑は返した。

宗助は息を吐くと、
「やっていません。

下見が終わったから広場を近道して宿泊先のホテルに帰っただけです。

そこで人が殺されていたなんて知らなかったんです、本当です」
と、荒畑に言った。

「なるほど」

荒畑は首を縦に振ってうなずいた。