宗助はBIRDMENに1度も会うことなく、対談が終わった。

「玉井くんとしゃべれんかったのは残念やったけど、よろしゅうとだけ伝えておいてくれんか?」

帰り際、荒畑が寂しそうに言った。

後の2人も寂しそうな表情を浮かべている。

彼らは久しぶりに宗助に会って、話ができることを楽しみにしていたんだと夏々子は思った。

「わかりました、そう伝えておきます」

寂しそうな3人とは対照的に、桑田は嬉しそうだ。

当たり前だ、彼の場合は3人と話ができたことを喜んでいるのだ。

「じゃ」

荒畑が手をあげると、背中を見せた。

彼らの背中を見送りながら桑田は大きく手を振っていた。