給湯室の方に顔を出すと、
「――ソウちゃん?」

宗助の背中に夏々子は声をかけた。

宗助は振り返ると、
「ああ、なっちゃんか」

夏々子に向かってホッと安心した顔を見せた。

夏々子は宗助に歩み寄ると、彼を後ろから抱きしめた。

「あたしに出会う前、マネージャーしてたんだね」

そう言った夏々子に、
「荒畑さんから聞いたのか?」

宗助が聞いてきたので、夏々子は首を縦に振ってうなずいた。

「突然辞めたことも言ってた」

「…怒ってたか?」

宗助の問いに、夏々子は首を横に振った。