* * *




よく、映画館で寝ちゃう人って漫画なんかで見るけど…実質、あたしも例外じゃないらしい。






既に危うい。



なんで…この映画、こんなに居心地がよくなるよーなメロディばっかり流れるんだろう……






隣の弥生君の顔すら、まともに見えない。

それが余計、眠気を誘った。












そんな時だ。




スッ……

温かいなにかが、自分の手にのしかかってきた。














……………弥生の手、だった。








「えっ…………」


不意に意外と大きな声が出て、澪は慌てて口を押さえた。













今の出来事で、確実に眠気は吹き飛んでしまった。


心臓が、尋常でない動きを見せていた。