明日は恭介さんと付き合い始めてから迎える初めての週末。
数時間前に私のパソコンに、恭介さんから社内メールが届いていた。
『明日は空いてる?空いてるならデートしよ』
初デートの誘われて、私は嬉しくて直ぐに返事をした。
『もちろん空いてます。私も恭介さんとデートしたいです』
恭介さんからの折り返しの返事も早かった。
『じゃあ決まり。詳しいことは、また連絡するから』
明日が楽しみになり、午後の仕事はスムーズに進んだ。
定時で仕事が終わり、スマホをチェックすると恭介さんからメールが来ていた。
『明日10時に愛花ちゃんのアパートに迎えに行くから』と一言だけの文章だった。
『分かりました』
私もその一言だけを返して、会社のエントランスを出た。
私は明日のコーディネートを奈央に頼みたくて、奈央の勤務先であるloversの店舗へと向かった。
店に足を踏み入れると、奈央の姿が見当たらなかった。
もしかして今日は休みなのかな?
すると顔見知りである店長さんがいたから聞いてみることにした。
「店長さん。奈央って今日はお休みなんですか」
「あれ奈央ちゃんから何も聞いてないの。奈央ちゃんはこの春から本社勤務になったのよ」
「えっ、そうなんですか」
「慣れない環境の中でも頑張ってるって話は聞いてるから、私は心配してないけど」
「せっかくだから、奈央ちゃんに顔出し出来ないか連絡してみようか」
「良いんですか?」
「もちろん」
私は店長さんの好意に甘えることにした。だけど奈央は残業で店に顔を出すのは難しいとのことだった。私は明日のデートに着ていくワンピースを選ぶことにした。
気になったものを何着か試着して、自分が一番気に入ったワンピースを購入した。