それにしても、信じられないな。私……本当に恭介さんの彼女になったんだよね?
なんだか、まだ夢でも見てるんじゃないかって思ってしまう。
本当は高校時代から、両想いだったなんて……。
あの時、勇気を出して告白していたら……私たちずっと一緒にいれたのかな?
そんなこと分かんないけど……先輩と両想いになれたことが何よりも嬉しい。
晴れて恭介さんと付き合い始めたけど、お互いに仕事で忙しくてプライベートな時間が取れずにいるのが現状。
外で二人きりで過ごす時間はなく、会えるのは応接室のみっていうのが……寂しい。
付き合い始めてから、まだデートらしいデートをしていない。
だけど仕事の合間に応接室で、たまに恭介さんから浴びせられる甘いキスで、なんだか許してしまうんだよね。
お互いにイケナイ事をしているって、頭では解ってるんだけど止められない。
ねぇ、恭介さん……此所が会社だってこと、忘れてない。こんなこと……本当はやっちゃイケないんだよ。
そう思う反面、とろけるような情熱的なキスを止めて欲しくない気持ちもある。
「……んっ」
甘くて熱いキスで、私の唇を塞いでくる。
私は、キスから逃れようと身をよじったが……
「まだ離さない」
恭介さんはそう言うと、再び私の唇を強引に塞いできた。
恭介さんの唇が、首筋へと移動した。
次第に首筋から、鎖骨へと降りていく。
熱を帯びるような、熱いキスにとろけそうになる。
「……んんっ」
「つーか、声出すなって言っただろ」
「……だって」
そんなこと言われたって……くすぐったいんだから、無理言わないでよ。
昼休みが終わるまで、私たちはずっと口づけを交わし続けた。
誰にも言えない秘密の関係は、まだ始まったばかりだから、今は幸せな気持ちでいっぱいだった。
「愛花ちゃん、今週末デートしよう。だから予定空けて置いてね」
恋人になって始めてのデートに誘われ、私の心は舞い上がった。