先輩達は経験を重ねてもやっぱりプレゼンは緊張すると言っている。

気持ちを落ち着かせるために、カフェスペースへ行きカフェオレを飲むことにした。

休憩を終え会議室へ戻ると、頭は仕事モードに切り替わった。

私は心の中で一息吐いた後、自分が考えたコンセプトを熱弁した。

すると満場一致で、私のデザインが採用されることになり、今までにない達成感を感じた。

本当に大切なのはこれからだけど、私は大きな達成感に包まれた。

会議が終わると再び高城先輩から強引に応接室に連れ込まれた。

「愛花ちゃん、プレゼン通過おめでう。ご褒美をプレゼントしたいから、携帯電話の番号とアドレス交換しよう」

高城先輩の行動には、いきなり過ぎてちょっと戸惑ったけど、高城先輩と番号を交換出来ることは嬉しかった。

私は一呼吸置いて、口を開いた。

「分かりました。社長」

「愛花ちゃん、社長じゃないでしょ」

「でも……外に聞こえたら、マズくないですか?」

「それもそうだな、会社ではケジメをつけないとな」

「そうですよ」

社内で携帯番号やメアドを交換するなんて……ナンパに等しいことをするなんて……高城先輩は自分が社長であることに自覚がない気がする。

とりあえず高城先輩に言われるがままに、赤外線でお互いの携帯番号とメアドを交換した。

高校時代に高城先輩と話をしたのは数える程しか無いけど、懐かしさを感じている。

チャンスが少ない中で、高城先輩と話せた時の喜びはとても大きいものだった。

ずっと憧れていた高城先輩と、また話をすることが出来るなんて……なんだか夢を見てるようだった。

そう思った私は、高城先輩に気付かれないように、右足で左足を思いきり踏んづけた。

いっ、痛い……痛いってことは……夢じゃないんだよね。

携帯番号を交換したってことは……少しは期待してもいいのかな?

高城先輩には、やっぱり彼女がいるのかな?

それだけが、気になって気になって仕方ない。