私よりも真央の方が苦しんでる……恋したくても出来なくて……もがいてるんだから。

「愛花は、社長のことが気になってることは、認めるんだよね」

「う、うん……そうだね」

「でも、それが恋かどうかまでは分からない感じなんだよね」

「そうなんだよね」

「焦らずにゆっくり気づけばいいんじゃない。好きになったら、気持ちは止められなくなるんだから」

「焦らずにゆっくり答えを見つけるよ。疲れてるのに今日は話を聞いてくれてありがとう」

「話を聞くぐらいなら、いつでも構わないよ。真夜中は流石に困るけどね」

「真夜中は流石に駆けつけたりしないってば。涼子なら有り得るかもしれないけど」

涼子なら深夜に駆け付けそうだねと良いながら真央と爆笑した。

「じゃあ……私、明日も仕事だから帰るね」

「うん、じゃあね。気を付けて帰ってね、おやすみ」

「うん、真央もゆっくり休んでね……おやすみ」

 そして私は、真央のマンションを後にした。私……本当に高城先輩のことが好きなのかな?正直な気持ちは分からないのが本音だった。

 でも彼女がいるか気になっているのは事実だから、やっぱり恋をしてるから気になるのかな?考えては見たけど……まだ答えは見つかっていない。

 自分の家に着くとモヤモヤした気持ちをスッキリさせるために、すぐにシャワーを浴びることにした。だけど、心の中のモヤモヤが消えることは無かった。

 そんなモヤモヤした気持ちのままベッドに入るがなかなか寝付けずに、気付くと朝になっていた。

 目覚めると寝不足と二日酔いで、軽い頭痛がした。今日は大事な会議があるから、会社を休めない。コップ一杯の水を飲み、きちんと朝食を摂ってから会社へ向かった。

 デザイン部へ入ろうとしたら、グイッと誰かに腕を捕まれたので後ろを振り返ると、高城先輩だった。

「愛花ちゃんに、話があるんだけど、ちょっとだけでいい時間取れないかな?」

「今ですか?」

「うん、今」

「分かりました」

 そう言うと社長が向かった先は応接室だった。