「返事は?俺のこと嫌い?雫は嫌いな男に抱かれたのか?」
なんで……。
ストレートに聞くかな。
意地悪だな。
まるで私が誰にでも許すみたいじゃない。
思わず唇をキュッと結ぶ。
「仕方ないな。返事をしないなら、体に聞くしかない」
カ、カラダに聞く?
え?えっ?
保は私をギュッと抱き締め、激しいキスをした。
……っ、ああ……。
い、息が出来ないよ。
ち、窒息する……。
保のセリフも保のキスも、私の寂しい心にズカズカと入り込み、私の理想とする恋愛観を上書きしていく。
驚きと、戸惑いと、そして……
こんな保に身を任せている自分が信じられない……。
この気持ちが、好きか嫌いかなんて、自分でも分からないよ。
激しいキスからやっと解放され、私は乱れた呼吸を整え、保に視線を向けた。
「まだ、返事しないのか?じゃあ……また続きするぞ」
「ま……待ってよ」
「ん?」
「たぶん……」
「たぶん?」
「たぶん……前ほど嫌いじゃないって言うか……。でもだからって、まだ出会ったばかりだし、自分の気持ちが……よくわからない」
「たぶん嫌いじゃない?それって好きって意味だよな?じゃあ、ちゃんと付き合おう。俺達はこれで恋人同士だ。なあ、今日泊めてくれない?もう遅いし」
「えっ?ここに泊まるの?」
「いいだろう」
男女の関係を持ったからって、いきなり泊まるなんてやっぱりデリカシーのない男だ。
――その夜、保は私のベッドで気持ちよさそうに、寝息をたてて爆睡している。
私は隣で爆睡している保が気になって、なかなか眠れやしない。
どうしてこんなことになったのかな……。
時間が経つにつれ冷静さを取り戻し、潮が引くように体の熱も引いていく。
バカだな……私。
愛してもいない人と関係を持つなんて。
しかも、よりによって野蛮なあいつと……。
本当に大バカだ……。
◇
翌朝、目覚まし時計のアラームで目が覚める。昨夜のことは、全部夢だったんだ。
そう言い聞かせ、恐る恐る隣に視線を向けると、モシャモシャの髪が見えた。
「……うわ」
昨夜のことが現実であると思い知らされ、掛け布団をそっと保の顔に被せた。
何やってるの……。
保を泊めるなんて、どうかしてる。
昨夜のことを、肯定しているみたいじゃない。
あれは酔っていたからに過ぎないのに。
こうなったら昨夜の記憶も保も、このまま消し去りたい。
今日は日勤だし、もう支度しないと。
保は仕事大丈夫なのかな?
ベッドから片足を下ろし起きようとしたら、保が私の手を掴んだ。
「……っあ」
「雫、もう起きるのか?」
「……やだ。起きてたの?私、日勤だし。保も仕事でしょう?時間大丈夫?」
「ん……?今、俺のこと保って呼んだ?」
しまった……。
つい……ポロリと……。
保はグイッと私の体を引き寄せ、耳元で囁いた。
「もう一回、呼んで」
意地悪な声……。
きっと顔も意地悪な顔をしているに違いない。
「やだよ」
「なんで?」
「だって、恥ずかしいから」
「呼ばないと……襲うぞ」
「……じょ、冗談はやめてよ」
朝から獣の餌食になるのはごめんだ。
なんで……。
ストレートに聞くかな。
意地悪だな。
まるで私が誰にでも許すみたいじゃない。
思わず唇をキュッと結ぶ。
「仕方ないな。返事をしないなら、体に聞くしかない」
カ、カラダに聞く?
え?えっ?
保は私をギュッと抱き締め、激しいキスをした。
……っ、ああ……。
い、息が出来ないよ。
ち、窒息する……。
保のセリフも保のキスも、私の寂しい心にズカズカと入り込み、私の理想とする恋愛観を上書きしていく。
驚きと、戸惑いと、そして……
こんな保に身を任せている自分が信じられない……。
この気持ちが、好きか嫌いかなんて、自分でも分からないよ。
激しいキスからやっと解放され、私は乱れた呼吸を整え、保に視線を向けた。
「まだ、返事しないのか?じゃあ……また続きするぞ」
「ま……待ってよ」
「ん?」
「たぶん……」
「たぶん?」
「たぶん……前ほど嫌いじゃないって言うか……。でもだからって、まだ出会ったばかりだし、自分の気持ちが……よくわからない」
「たぶん嫌いじゃない?それって好きって意味だよな?じゃあ、ちゃんと付き合おう。俺達はこれで恋人同士だ。なあ、今日泊めてくれない?もう遅いし」
「えっ?ここに泊まるの?」
「いいだろう」
男女の関係を持ったからって、いきなり泊まるなんてやっぱりデリカシーのない男だ。
――その夜、保は私のベッドで気持ちよさそうに、寝息をたてて爆睡している。
私は隣で爆睡している保が気になって、なかなか眠れやしない。
どうしてこんなことになったのかな……。
時間が経つにつれ冷静さを取り戻し、潮が引くように体の熱も引いていく。
バカだな……私。
愛してもいない人と関係を持つなんて。
しかも、よりによって野蛮なあいつと……。
本当に大バカだ……。
◇
翌朝、目覚まし時計のアラームで目が覚める。昨夜のことは、全部夢だったんだ。
そう言い聞かせ、恐る恐る隣に視線を向けると、モシャモシャの髪が見えた。
「……うわ」
昨夜のことが現実であると思い知らされ、掛け布団をそっと保の顔に被せた。
何やってるの……。
保を泊めるなんて、どうかしてる。
昨夜のことを、肯定しているみたいじゃない。
あれは酔っていたからに過ぎないのに。
こうなったら昨夜の記憶も保も、このまま消し去りたい。
今日は日勤だし、もう支度しないと。
保は仕事大丈夫なのかな?
ベッドから片足を下ろし起きようとしたら、保が私の手を掴んだ。
「……っあ」
「雫、もう起きるのか?」
「……やだ。起きてたの?私、日勤だし。保も仕事でしょう?時間大丈夫?」
「ん……?今、俺のこと保って呼んだ?」
しまった……。
つい……ポロリと……。
保はグイッと私の体を引き寄せ、耳元で囁いた。
「もう一回、呼んで」
意地悪な声……。
きっと顔も意地悪な顔をしているに違いない。
「やだよ」
「なんで?」
「だって、恥ずかしいから」
「呼ばないと……襲うぞ」
「……じょ、冗談はやめてよ」
朝から獣の餌食になるのはごめんだ。