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カレンダーは案の定、部屋中に貼ってあったメモに隠されていた。 位置は何故か玄関のすぐ横だったので、見やすい机の目の前の窓の横へと移動した。

カレンダーは1月のままで、15日までは斜線が引いてあった。 けれど、それ以降は斜線を引くことを忘れてしまったんだなと今更になって思う。

僕はそれを6月が見えるまでベリベリと剥いだ。 このカレンダー5枚分、自分は無意味な時間を過ごしていたのだと思うと、また胸に重たいものがずしりとのり掛かる。

でも、また今日からまたスタートできるのだからと考えて、破いたカレンダーはゴミ箱に捨てた。 その時、視界に入った机の上に置かれていた時計の時間が止まっていることにも気付いた。 果たしていつから止まっていたのかは、もう分からない。 

それに、多分この家に電池の買置きなんてものはないだろうと推測する。 仮に買ってたとしても、仕舞った場所を思い出すことはもう出来ない。

外を見ると、朝よりも日差しが強い真昼間の日差しで、(いまは大体お昼頃かな)なんて考えつつ、時計の電池を抜いてショルダーバッグに入れた。

それから、僕はシンクに溜まっていた食器と脱衣場に溜まっていた洗濯物を洗濯した。 
洗濯機のボタン操作には少し振り回されたが、なんとか出来た。 洗った洗濯物は、気持ちが良いくらいに陽が当たるベランダに干した。

家の中でも、これだけ動けば身体にはじんわりと汗をかく。 汗なんて心地の悪いものばかりと思っていたけれど、こんなに気持ちが清々しいのはなぜだろうか。

僕はなんだか、今ならなんでも出来そうな気がしてきて、この気持ちの勢いのまま買い物に出かけようと考える。 その前に、ショルダーバッグに入れたはずの電池がちゃんとショルダーバッグの中に入っているかを確認して、それから、他に何か買い足さなきゃならないものがあるかを探す。

買ってくる物を忘れないようにノートにメモをしないとと思って、時計の近くに置いていたノートを手に取る。

そしてふと、たった今は何時なのだろうと思う。