重たい足取りで家路に着いた私は、窓から差し込む光に照らされたローテーブルの上の紙に気がつくと、ランドセルを下ろしてそれを手に取った。



母親からの手紙のようだ。
読み進めていくと、どうやら買い物中で家を留守にしているとのこと。



行数の少ないその手紙のそばに置かれていた自分のスマホに持ち替えると、私はロックのかかっていない画面を操作してカレンダーアプリをそっと立ち上げた。



小学生がスマホを所持するなんて早すぎる、なんて声もあるけれど、声を出せない私にとっては必要不可欠のアイテムだった。



日にちを追い、流れていく月日を指で数えていく。



五ヶ月と二十二日。
失声症を患ってから、自分でも驚くほどの長い月日が経過していたらしい。