一驚して顔を上げれば、つぶらな瞳と視線が交わった。



柔らかな眼差しに不思議と肩の力が抜けていく。



動揺を隠し切れないままそっと頷くと、太陽のように眩しいくらいの笑みを私に向けた。



「俺、川島颯太!これからよろしくな!」



パッチリ二重にクリクリとした特徴的な瞳。柔らかな線を描いて笑うその顔に曇りはなくて、私はぎこちなく眩しい笑顔から目を逸らした。



──どうして?
胸に渦巻くのは、たったひとつの疑問。



考えることを放棄した頭は、ただの物好きと結論づけることで落ち着いた。



手持ち無沙汰に机の上で指先を彷徨わせる。ふいに触れた淡い空色のペンに苦く笑うと、私は先生の言葉にそっと耳を傾けた。