「その時は片っ端から割って、ハートブレイクのショックを発散したかなっ。
けど…
来てくれるって信じてた」

そう言われて…
いろんな想いが込み上げた私は涙ぐむ。


「あぁ待てっ!まだ泣くなっ…
こっからが本番だから。
いくぞっ?」

戸惑う私に、ヘリウムバルーンの紐を持たせて…

それを頭上でパンと割る。


「きゃあっ」

その悲鳴は割れた音に対してだけじゃなく。

辺りがキラキラの紙ふぶきに包まれる。


「う、そ…
っ、すごいっ……」

「…よしっ。
じゃあ今から2人で、浮いてるヤツ全部割るぞっ?
そんで、薔薇の花びらが出たらキスしよう!」

ビデオが固定されて、2人の姿を映し始める。


そして私達ははしゃぎながらバルーンを割って、キスして戯れ合って…

残りも少なくなって来たところで。

盛大なキラキラと花びらを狙った私が、立て続けにバルーンを割った。


「えええっ!」

「え、なにっ!?」

せっかくの紙ふぶきと花びらシャワーが、驚きでかき消される。


「いやっ…
まさかそんな連続でくるとは思わなかった…」

うなだれる彼。