『告白とかお祝いって、サプライズが多いじゃない?
でもそーゆう嬉しい瞬間ほど、映像で残せたらいいのにね』

前にそんな話をした私に、動画でプロポーズしてきた彼。


それにより、返事はノーなら電話で。
イエスならこのホテルに来るように告げられてた私は…

嬉しさと緊張感で破裂しそうな胸を抱えながら、受付で案内された部屋の扉をノックした。


「どーぞっ」と扉が開いて、足を踏み入れた私は…

「えっ……」

目にした光景に言葉を失くして。

彼にビデオを向けられてるにもかかわらず、後ずさって部屋番号を確かめる。


それもそのはず。


「ははっ!
驚いたっ!?」

「っっ、信じらんない…
これっ、どーしたのっ?」

「今朝出張から帰って来て、今日は代休だったからさっ。
朝から頑張ってみましたっ!」

私を映してたビデオが、そう室内に向けられた。


そこには、目を見張るほどバルーンアートされた空間。

床に敷き詰められたものや、ヘリウムガスで浮かせたもの。
壁やカーテンに貼り付けられてるものも。

天井から紐で吊るされたものには、2人で撮った記念写真がつけられてて…
大きなベッドには、Let’s get marriedのアルファベットバルーンが置かれてた。