私が育ったのは、東北の片田舎。
過疎化の影響が大きく子供自体が少ない土地柄で、その上私は一人っ子。
おまけに両親ともに末っ子と言う境遇だったため、親戚を見回しても私より幼い『いとこ』は居なくて。
だから、今まで私は真理ちゃんくらいの年頃の子供と接する機会が少なく、ほとんど皆無と言っても良いくらいに接触がなかった。
上京し、東悟と出会った大学に通っていた頃も似たような状態で、こうして就職した今に至っても、ご近所のスーパーやたまに利用する電車やバスの中で見かけるくらいしか、子供との接点がない。
そして、そう言う場所で見かける幼子は決まって賑やかで、パワフルかつかなりハイテンションだったりする。
唯我独尊。ゴーイング・マイ・ウエイを地で行くようなその姿は、まるで行動が読めない未知の生物・エイリアンのようにさえ感じられた。
正直、近寄りたくはない。
嫌いなのではなく、扱い方が分からないと言う恐怖心が先に立ってしまうのだ。
もしも万が一、泣かれでもしたら、どうしていいのか分からなくて自分の方が泣きたくなってしまうだろう。
いわば、食わず嫌いならぬ、寄らず嫌い。
結果。私の中では、『子供って苦手だなぁ、関わりたくないなぁ』と言う意識が根強く残り、払拭されることなく現在に至っている。