それからは、もうあっという間だった。電車に乗って家にもうすぐ着く。それだけだった。けれど、家に着こうとする所でそれは起きた。
突然、大きな音が鳴ったかと思うと、突然地面が揺れ始める。それはあまりにも大きい揺れだった。地震が起きたんだと脳が理解した時にはもう僕は立っていられなくなり、体を四つん這いにするように地面に倒れ込む。それでも、揺れはなかなか収まらない。
いつまで続くのか。こんな終わりのない揺れは意外とあっさりと終わった。
僕はゆっくりと顔を上げる。そこには、有り得ないものがあった。
「な、なんで……」
光だ。空が突然白く光り出していた。地面を強く照らす光はとても眩しかった。なんとか目を開けるので精いっぱいだった。僕はそうだと思い、急いですぐ近くの家に駆け出す。幸い、家は無事の様だった。僕は扉の前まで行って強くノックする。
「母さん! 母さん!」
しかし、扉は一向に開かない。
返事も来なかった。
すると、真上が一瞬光ったと思ったらまた大きな音が鳴った。僕は振り返るとそれを見て驚愕した。遠くにあったビルが倒壊した。僕はこの非現実的なものを見てただ、唖然とする。
「……嘘だ」
目の前の景色が信じられなかった。何か目に分かる情報は無いかを探す。そして、僕はこれだ、と思いポケットからスマートフォンを取り出して、立ち上げる。手がブレて用の無いアプリを開いてしまった。僕はホームボタンを押してメイン画面に戻ると、急いでニュースを探す。
『各地で突然の光が降り注ぎ、ビル等の建造物が倒壊』
『突然の倒壊により交通機関麻痺』
『世界少女の影響か? 各地で建造物倒壊』
ニュースの上位はこれらで埋め尽くされていた。僕はここにある一つのニュースの題名に目が付いた。