その間にも、時間は刻々と迫っていた。けれど、今のこの時間はまるで静止している様に思えた。不意に彼女の瞳が揺れる。それと同時に彼女が立ち上がって、こちらを向いてきた。
 そして、彼女はこう告げた。

「わたしね、世界少女なんだよ」

 すると、花火が打ち上がる。
 横からものすごい何かが弾けた様な音と共に様々な色に染まった光がこちらの頬を照らしていた。けれど、僕はそんな花火を見てはいなかった。
 二人の間の時間は静止して、ただ僕たちはお互いの顔をだけ見ていた。