観覧車に乗っている時に流れてきたニュースの題名に『世界少女』があった。そして、僕が『世界少女』を口に出すと、楠野さんは突然目の前が真っ白になったと言わんばかりに唖然とする様子を見せてきた。
この、2つの出来事が理由だろう。最近は『世界少女』という言葉が目に付く。嫌でも目に付いてしまう。本当は考えたくもないし、見たくもない程の事だった。何か『世界少女』という単語に嫌でも反応してしまう自分がそこにいた。
そんな事もおかまいなしと言わんばかりにニュースはただ、淡々と報道をし続けていたが、母はそのニュースに対して一切興味もなくただ、シンクで朝ごはんに使っただろう食器をただ、洗い続けていた。
朝食を食べ終えた僕は、学校まで自転車で行った。
学校には、電車でも自転車でも通える程度の距離があるのだけど、僕はいつも自転車を選んでいて、雨が降る日はいつも電車を選んでいる。
そして、今回は晴れだという事もあり、僕は自転車で登校をしている。果たして今日、楠野さんは誘いに乗ってくれるのだろうか。
「楠野さん」
「……ん?」
今日の図書委員の仕事の最中に僕は彼女に声を掛ける。もっとも、この一連の行動はいつもどおりであり、特段珍しい事ではないのだけれど、なんだか改めて声を掛けるととても緊張してしまう。
「どうしたの?」
楠野さんは興味深く聞いてくる。そこまで、大きな事じゃないんだけど……と僕は切り出して、
「今月の二十一日にやる花火大会、行ける?」
本題を提示する事ができた。
この、2つの出来事が理由だろう。最近は『世界少女』という言葉が目に付く。嫌でも目に付いてしまう。本当は考えたくもないし、見たくもない程の事だった。何か『世界少女』という単語に嫌でも反応してしまう自分がそこにいた。
そんな事もおかまいなしと言わんばかりにニュースはただ、淡々と報道をし続けていたが、母はそのニュースに対して一切興味もなくただ、シンクで朝ごはんに使っただろう食器をただ、洗い続けていた。
朝食を食べ終えた僕は、学校まで自転車で行った。
学校には、電車でも自転車でも通える程度の距離があるのだけど、僕はいつも自転車を選んでいて、雨が降る日はいつも電車を選んでいる。
そして、今回は晴れだという事もあり、僕は自転車で登校をしている。果たして今日、楠野さんは誘いに乗ってくれるのだろうか。
「楠野さん」
「……ん?」
今日の図書委員の仕事の最中に僕は彼女に声を掛ける。もっとも、この一連の行動はいつもどおりであり、特段珍しい事ではないのだけれど、なんだか改めて声を掛けるととても緊張してしまう。
「どうしたの?」
楠野さんは興味深く聞いてくる。そこまで、大きな事じゃないんだけど……と僕は切り出して、
「今月の二十一日にやる花火大会、行ける?」
本題を提示する事ができた。