「あ、ちょっと美樹」
片桐さんは楠野さんの右腕を掴もうとしたが、楠野さんはさらりとかわして僕の手を繋いでくる。そして、そのまま走り始めた。僕も慌てて走り始める。
「ごめん! この事はまた今度ね!」
「待って、美樹!」
突然の事に足が動かなかったのだろう、片桐さんは追いかけてこなかった。僕たちはそのまま逃げる様に集合場所から片桐さんだけを置いてけぼりにして走っていった。
「いやあ、災難だったね」
走りながら、のんきな口調でそう告げてきた。原因はそれを言っている楠野さん自身だけど……。それは置いておいて、
「片桐さん、あのままで大丈夫なの?」
「大丈夫! 筑音ちゃんにはまた今度今回の事、フォローしとくから!」
果たして、楠野さんのフォローで片桐さんは完全に納得するだろうか。僕は多分、あの態度からして納得はしないだろうなとは薄々察していた。
「そうだ、これからどうするの?」
僕はそれを聞かなければならない。わざわざ昼前に指定したのだから今日は外で食べるという事なのだけど。
「今日はまずファミレスで昼食を食べようかなって思っているんだけど」
人混みを避けつつ、楠野さんは予定を語る。僕はそれに反対をせず、楠野さんに任せる事にした。今日は楠野さんのしたい事に付き合うという事になっているのだ。それなら、任せようと思った。
「そう? それじゃ、ファミレスで食べに行こ!」
楠野さんも僕の言い分通りに自分の立てた予定を順当に実行するという事にしたらしい。
*
片桐さんは楠野さんの右腕を掴もうとしたが、楠野さんはさらりとかわして僕の手を繋いでくる。そして、そのまま走り始めた。僕も慌てて走り始める。
「ごめん! この事はまた今度ね!」
「待って、美樹!」
突然の事に足が動かなかったのだろう、片桐さんは追いかけてこなかった。僕たちはそのまま逃げる様に集合場所から片桐さんだけを置いてけぼりにして走っていった。
「いやあ、災難だったね」
走りながら、のんきな口調でそう告げてきた。原因はそれを言っている楠野さん自身だけど……。それは置いておいて、
「片桐さん、あのままで大丈夫なの?」
「大丈夫! 筑音ちゃんにはまた今度今回の事、フォローしとくから!」
果たして、楠野さんのフォローで片桐さんは完全に納得するだろうか。僕は多分、あの態度からして納得はしないだろうなとは薄々察していた。
「そうだ、これからどうするの?」
僕はそれを聞かなければならない。わざわざ昼前に指定したのだから今日は外で食べるという事なのだけど。
「今日はまずファミレスで昼食を食べようかなって思っているんだけど」
人混みを避けつつ、楠野さんは予定を語る。僕はそれに反対をせず、楠野さんに任せる事にした。今日は楠野さんのしたい事に付き合うという事になっているのだ。それなら、任せようと思った。
「そう? それじゃ、ファミレスで食べに行こ!」
楠野さんも僕の言い分通りに自分の立てた予定を順当に実行するという事にしたらしい。
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