【十月二十日】
お母さんの誕生日。由佳と、お父さんと、墓参りにいく。最近三人でご飯を食べることがあまりなかったから、お墓参りの後一緒に食べようと誘うつもりだったけど、お父さんは仕事に行ってしまった。そんなに頑張らなくていいのに。いつも顔色が悪い。私が少しでも、代わってあげられたらいいのに。
お母さんだったら、きっと簡単に、笑いながらお父さんを引き留めてしまうんだろう。ああ、そう考えるとお母さんって、なんか伊織に似てるかも。私がどんなに真似してもできないこと、伊織は簡単にやってしまいそうな気がする。
私に似てる?
そうなんだろうか。私、結構お母さん似だと言われるんだ。そう考えると、私のお母さんと、和佳のお母さん、似てたのかな。
少し前のページに去年の文化祭のことも書かれていた。和佳はやっぱり、秀とは回らなかったようだった。そして、由佳ちゃんやお父さんを呼んだりもしなかった。クラスにうまく馴染めないまま、屋上のカフェで自習をしていたと書かれていた。