「朔弥、念のために聞くけど、お前今好きなやついる?」

「はぁ?いるわけねーじゃん」

「なぁ、それマジで言ってる?」

「意味わかんねーこと言ってんなよ」


俺の言葉に心底驚いた様子の東雲を前にして、なんだか頭痛がさっきよりひどくなってきた気がした。


「悪い、なんか頭痛い。ちょっと寝るわ」

「お、おぅ。後で起こしてやるから、ゆっくり寝てろよ」


東雲の言葉にホッとして目を閉じた。

そんな俺の傍で東雲が神妙な様子で考え込んでいることにも気づかず、俺はあっという間に谷間に落ちていくみたいに眠りについていた。