応募部門【青春恋愛】

あらすじ
高校二年生の春を迎えた少女、岡本結衣子(ゆいこ)は常にいい子であろうと自分自身の感情から目を背けて生きてきた。私が我慢すればすべてがうまくいく、そう思うのにどうしようもなく苦しくて、誰かに助けてほしい。そう願った時、彼女が偶然出会ったのは、校舎の片隅で一人煙草を燻らせる図書館司書の佐原春人(はると)だった。他の大人たちと違い、素の自分でいられる春人に対し、結衣子は今までにないほど強い恋心を抱くようになる。しかし春人にはずっと忘れられない女性がいた。結衣子と同じくらいの年の頃、同じように司書として勤めていた静香(しずか)に春人は恋をするが、静香はある日を境に突然姿を消してしまう。結衣子はクラスメイトの優香(ゆうか)との交流、そして春人への恋情により少しずつ自分を取り戻していき、春人もまた静香との記憶を辿りながら過去と現在に向き合おうとする。変わるもの、変わらないもの、その中で大切な誰かを思うこと、それを結衣子と春人それぞれの視点で描いていく青春恋愛ストーリー。