私はそう言うと、芹沢は驚いたように私を見る。
「……俺もそう思った。無性にあいつらに会いたいって」
芹沢は立ち上がり、今まで見たことのない満面な笑みを浮かべていた。
「…じゃあ、行くか」
私も立ち上がって、外に出た。
外に出たら、さっき降っていた雨は止み、曇り一つもない晴天だった。
私と芹沢の思いを表したかのように、晴々としていた。
私達は、すぐ海喫茶店に戻った。
誰もいないけど、私達はなぜか会いたく、話をしたかった。
何も言わなくても、私たちは走った。
土砂降りな雨に濡れて、銭湯に入ったのにまだ私たちは体力があった。
はあ はあ はあ
私達は銭湯から海喫茶店は近くだったので、すぐに着いた。
一九時を回っているのに、海喫茶店は光が漏れていた。
バンッとドアを開けると、そこには海里くん、店長、天沢さんがいた。
みんな、真剣な表情で何かを話し合っていた。
「…あれ? どうしたの?」
海里くんはテーブルの上に頬杖をつき、私達に言ってきた。
「…いや」
芹沢は言葉を詰まらせていた。
お前らに会いたいとかで海喫茶店に来たとはさすがに言えないだろ。
「ちょうどいいところに、芹沢くんに和歌ちゃん。今ね、水沢の母さんらしき人物を見た人が俺のつてで分かったんだ。これ」
天沢さんがそう言ってから、私達はすぐに天沢さんがいるテーブルに向かった。
天沢さんが持っていた写真を食いるように見る。