海里くんは顔を真っ赤にしながら、私に言ってきた。え?何なに。海里くんの初めて見る表情に驚く。

どういうことだろうか。まさか、好きとかじゃないよね。

それは、まさかのまさかであった。

「よし、今日はこれで終わりです。お疲れ様です」

久しぶりに店長を見たと思いきや、今日はバイトして初の給料日だった。
バイトし始めて結構経つけど、色々ありすぎてお金を稼ぐという認識はなく、、ただ働いていた。なので、給料がもらえるのはとても嬉しい。

いつも、店長いてくれればいいのに。

海里くんのお母さんだけど、いつも何してんだろう。

海里くんの母さんから給料をもらい、ありがとうございますと頭を下げた。
私が給料を持って、自分のロッカーに向かおうとした時、芹沢が私に話しかけてきた。

「和歌。お前に話があるんだ、いいか?」

「いいけど。何」

「話は後からだ。行くぞ」

芹沢は私の腕を引っ張り、どこかに連れて行こうとする。

「待って。帰りの準備してるから、ちゃんと行くから。一回待って!」

私は芹沢の手を離して、自分のロッカーに向かう。芹沢もキッチンの片付けをしてから、海喫茶店の玄関で待ってると言い、私が準備を終えるのを待っててくれた。

私はお疲れ様でしたと海里くんと店長に言い、外に出た。

その時の海里くんの表情が悲しい顔をしていた。なんで、そんな顔しているのかは分からなかった。店長は、青春ねーと言いながら、私に手を振ってくれた。

「…ゴメン。待たせたね」