「和歌さん」

「海里くん。海里くん達凄いね。モテモテなんだね」

海里くんはお金を数えてから、私の方へ向いて言った。

「きゃーって言われても、心の中ではどんなこと思っていると思う? ただ見ているだけでいい。観賞用にうってつけとか言われてんだよ。そんなこと言われたら、げんなりするよ」

海里くんはバンっとお金をしまい、私に言う。相手の心を読めるのって大変なんだな。

「なんか、ゴメン。変なこと言ったね」

私はキッチンで作る芹沢を見ながら、海里くんに話しかける。

客はまだ沢山いるけど、誰も店員に声をかけようという客は少なかった。

「別に。和歌さんに何言われても大丈夫だし。ちゃんと心を込めて言ってるから。それより、暁をどうにかしてほしいね」

海里くんは私の隣に来て、小さい声で言う。

「なんで?」

私は首を傾げた。

「暁は茜の自殺以来、誰かが死ぬことがわかるようになったが、それと同時に死にたいっていう願望が強くなっていた。僕は心の中まで見えるけど、それは本心で言っている言葉か分からない。暁は暁なりに何かを悩んでるのかもね。僕よりも暁は自分で抱え込むからな」

私はまた首を傾げて、海里くんを見る。

芹沢は何を悩んでいるのだろうか。

「海里くんは何か悩みとかある?」

「……悩みはあるちゃ、あるけど。暁とは少し違う悩みだよ」

海里くんはチラッと芹沢を見て、私に言う。

「もしかして、芹沢と関係ある?」

「……んな、そんな訳ないよ」