美咲はそう言ってから両手を手に合わせて、申し訳なさそうにしていた
。
だが、ここから始まったのだ。
茜が茜らしくいられなくなったのは。
茜は授業が終わった後、バドミントン部の部活を休んで、家で美咲から渡された宿題は、エプロン作りをやっていた。
次の日
茜は美咲から渡された宿題をカバンに入れて、学校に向かった。
すると、そこには美咲がいた。声をかけようと、美咲を呼んだ。
「おはよう。美咲ちゃん」
「…おはよう」
美咲は冷たい声で、茜に言った。
「これ、作ってみたんだけど」
そう言って茜は美咲に渡した。
茜が作ってきたものをじっーと茜を見て、美咲は沈黙したそうだ。
「あ、ごめーん。こんなボロボロなもの、宿題として提出出来ないわ。エプロンって言うより、雑巾だね。いいよ、私がやった方がよかった」
美咲は茜が作ってきたエプロンを床に投げ捨てた。
「…ゴメンね」
茜はそう言って、席に戻った。一人悲しく泣いているとは知らずに涙を我慢して授業を受けた。
放課後
僕達は、部活が唯一ない木曜だけは一緒に帰っている。
「茜ー。帰ろう」
僕は終礼が終わったあと、すぐに茜のクラスに向かう。茜は手を上げて、僕に手を振ってくれた。
僕は教室のドアに寄りかかり、茜の帰り支度を待っていた。