だから、知りたいんだ。あの明るい茜がなんで死んだのか。
それを見た海里くんは、私を見て言った。
「…分かりました。今から正直に話しをしますね。これは、二年前の茜が中学二年生の時からだった。周りが変わっていたんだ。それは、僕達は知らなかった」
海里くんはそう言って、二年前の茜について話し出し始めた。
「おーい、茜。何してんだ。こっちにこいよ」
芹沢は中学三年生でいつも生意気で茜に対しても同じだ。
僕は、茜と同じ中学二年生でいつも中学三年生の芹沢と僕と茜は一緒に登校している。
お互い家が近く、幼い時から仲良かった。
「はーい」
茜は笑顔で僕達に返事をして、整えられたミディアムな黒髪はツヤツヤで、顔は割と美人だ。
外見といい中身といい、みんなが親しまれる性格で、周りには友達が沢山いた。
だけど、ひとつ気がかりなことがあった。茜が前より不自然に笑うようになったのだ。
それは、暁は知らない。ただ単に調子が悪いだけと思っている。前より何かが違うと思うんだ。それがはっきりしたのは、学校でのことだった。
「茜ー。これやって。私全然できなくてさ」
そう言って、友達である美咲から茜は言われたのだ。
席に座っていた茜は、美咲からはいと手渡された家庭科で今週末に提出する宿題を茜に渡したのだ。
「……分かった。いいよ」
「ありがとう、茜」