やっぱり、綺麗だもんな。男の子だけど、周りから目を惹く才能はある。そんな子がなんで不登校になったのか。

私達はゆっくりと歩きながら、行きつけのカフェと呼ばれる場所に着いた。
そこは、天沢喫茶店と書かれている看板が目に飛び込む。

「…天沢…喫茶店」

「そう。喫茶店を経営している同士であり、僕達のよき相談相手。いい人だよ。じゃあ、入ろう」

そう言って、カランカランと開けてベルが鳴っていた。すると、若い店主だろうか。海里くんに話しかけてきた。

「おっ。海里か。ここ最近来てないから心配したよ。やっと、女の子連れてきたか……え? 和歌ちゃん?」

若い店主は私を見て、驚いた顔をしていた。

若い店主の顔を見ると、見たことある顔が私の目に映し出す。

「……天沢さん!」

私は思わず、若い店主に大きい声で叫んでしまった。だって、おばあちゃん家の隣に住んでいた天沢さんがなんでここに。

「え? 二人知り合いなの?」

海里くんは驚いたように、私と天沢さんを交互に見てきた。

「うん。こないだおばあちゃん家に行った時に隣に住んでいる天沢さんと仲良くさせて頂いたの」

私は天沢さんを見ながら、海里くんに言った。天沢さんは私を心配しているのか、眉を寄せていた。

「…和歌ちゃん、大丈夫?」

天沢さんとは悩み相談してから、あれ以来会っていない。

というか、私の悩みは天沢さんにあまり正直に話してないのでどういう顔をすればいいか分からない。