私は返答に困っていたら、海里くんは声を発した。
「じゃあ、これでどう? 暁の過去を教えてあげる。聞きたいことなんでも。どう?」
芹沢の過去。そして、芹沢のことはなんでも教えてくれる。
私は芹沢について知りたい気持ちはあった。
だって、なんであんないつ死ぬのか分かるようになったのか知りたい。
私に何でそんなことを言ってきたのか。
あいつを見ると、私は虫唾が走る。
私を客観的に見ているようで。
「…わかった。いいよ、やる」
私は一旦迷いながらも、海喫茶店でのバイトを了承した。
「ありがとう。じゃあ、海喫茶店に行こう」
子供のように、笑いかけてきた。さっき程の笑顔と違く、真剣な目で訴えているようであった。
「…あ、うん」
私は海里くんの押しに負けてしまった。
海里くんと私は、会計を済ませた後、海喫茶店に向かった。
海里くんに強引に誘われて、やることになったけど。私は嫌ではなかった。
芹沢の過去を知りたいから。
「ここから、結構時間かかるから。バスで行こう、和歌さん」
海里くんはスーパーの入り口で、片手に買った苺をリュックサックに入れて、チャックを閉めていた。
私は返事をして、近くにあるバス停に向かう。