その姿を見て、私は天沢さんの好きなことに対する情熱ぶりに唖然としてしまった。
「…っ、これは頂く。ありがとう」
嬉しそうな表情を浮かべて、台所の棚に置いた。
私と天沢さんは、リビングにあったテーブルにお互い向き合いながら座った。そしたら、天沢さんは声を発した。
「…大丈夫か?」
天沢さんは頬杖をつきながら、私に問いかけてきた。
「…すいません。ご迷惑おかけしました。もう大丈夫です」
そう一言だけ言い、私は深々と礼をした。
私はテーブルにつきそうになりながらも、人生で一番頭を下げた。
「そう、なら良かった。和歌ちゃんは、俺が何の仕事している人かわかる?」
天沢さんがそう言った後、私に聞いてきた。
なんで、天沢さんの仕事について私に聞いてきたのだ。急にどうしたというのだ。
私は下に俯きながら、なんて答えたらいいのか迷っていた。
「…っ」
私は天沢さんのことを見た。平日だというのに、自宅にいる。ということは、平日・土日関係なく、仕事ができる職種。
小説家、イラストレーター、何かに特化してやっているフリーランス。
どれかなんだよね。
うーん、私は悩みながら天沢さんに言った。
「……イラストレーター?」
私は首を傾げながら、天沢さんに伝えた。
天沢さんは私をじっと見てから、声を発した。
「俺、イラストレーターに見えるのか。そんな絵描けるように見える?」
「顔が絵を描けそうに、見えますよ」