おばあちゃんは笑みを浮かべて、私に言った。それで、今日天沢さんの家にお邪魔することになった。
ピンポンと私はインターホンを押していた。
はーいと天沢さんは、インターホン越しで私に大きい声で言う。
ガチャと扉が開いた。
「和歌ちゃん、いらっしゃい。入っていいよ」
天沢さんは、おはようと私に挨拶してから、私に話してかけてくれた。
「おはようございます」
私は天沢さんと挨拶を交わして、天沢さん家にお邪魔した。
天沢さん家に上がると、人は誰ひとりいなかった。
天沢さんは、一人暮らしなのかな。
キョロキョロと家を見渡しながら、リビングについた。
「あの、良かったら、これどうぞ」
私は朝早くから並んで買ってきた手土産を天沢さんに渡した。一番今人気が出てるお菓子だ。
地元民でも手に入れるのは難しいチョコレートお菓子。
それを見た天沢さんは、目を輝かせていた。
「……これ、どうやって手に入れた?」
「並んで買いましたけど」
私はテーブル脇に立ちながら、目の前にいる天沢さんに言う。
それを天沢さんは、驚いたように私を見る。
「…っ、これ並んで手に入れたのか。俺なんて早く行っても売り切れだったのに」
「早くって、何時に行ったんですか?」
私は天沢さんの顔を見て、真顔で聞いた。
「…九時だな」
「九時は、遅すぎますよ。最低六時には行かないと」
天沢さんは私の言葉を聞いた瞬間、悲しそうにしょんぼりしていた。