おばあちゃん家に来て、二日目。
私は天沢さんの正体を知ることになるとは、朝食を食べている私は知らない。
「おばあちゃん! ちょっと出かけてくるから」
私は部屋でいそいそと準備をしてから、外に出た。
おばあちゃんは、はーい、気をつけてねと言いながら、洗い物をしていた。
私は今日用事があった。それは、天沢さんの家にお邪魔することになった。
なぜかというと、昨日のこと。発端はおばあちゃんが言い始めた。
おばあちゃんと私は椅子に腰をかけていた。
「…ほんと、心配したんだよ」
「ゴメン。心配かけて」
「いや、和歌ちゃんは何も悪くないよ。そういう風にしてしまった私にも責任があるよ。おばあちゃんとして」
私は目を丸くして、おばあちゃんを見た。
なんで、おばあちゃんが責任を感じてるの。
これは、私の問題なのに。
「……でも」
「大丈夫。和歌ちゃん」
そう言って、おばあちゃんは私の頭を撫でていた。
私は目の前に座っているおばあちゃんに頭を撫でられながら、下に俯いていた。
こんな誰かに大切にされたことは、初めてだった。
去年は、おじいちゃんとおばあちゃんは、何かと外に出ていて、お話があまりできていなかった。
だから、素直に嬉しかった。
「明日、健ちゃん家に行って、お礼を兼ねて話ししてきな。あの子はああ見えて賢いし、相手の気持ちがすぐにわかる子だから。明日行ってみたら。きっと」