小町通り〜〜とバスのアナウスが流れた。
私は停車ボタンを押して、前の席に座っていたのですぐ立ち上がった。
バス賃はイクスカでピッとタッチした後、小町通りに降りた。
小町通りは古い建物が並ぶ中、最近はボロボロになってきた建物を改造している。
古い建物を生かし、今流行りのカフェなどをオープンして活気づいている。
私は活気づいている街を歩きながら、母の実家を歩き進める。
母の実家は、神社が近くにあって、趣があるおしゃれな家だ。
バスからつきあたりを右に曲がり、真っ直ぐ突き進むと、左手にお洒落な表札がある。
キラキラでデコられている日本で一番おしゃれな表札だろう。
インターホンを押すと、はーいとおばちゃんの声が私の耳に届く。
和歌です。少し遅くなりましたと私が言うと、おばあちゃんは明るい声で私に言う。
「和歌ちゃん!! 待ってね、今行くから」
元気いっぱいに私に言ってから、おばあちゃんはドアを開けてくれた。
「いらっしゃーい。和歌ちゃん。ここまでよく来たね」
「おばあちゃんは、変わらないね。三日間よろしくね」
私はおばあちゃんに挨拶をして、母の実家に足を踏み入れた。
皺をよせて目をクシャとして、私に笑いかけてきた。
割と顔は整っていて、背も高くて、若い頃は美人だったと思う。
「和歌ちゃん、来てくれたるだけうれしいよ。……あの子も来てくれたらね」
おばあちゃんは少し悲しげな表情をして、私に言った。