分かった。待ってて。と琴葉にラインを送って、すぐに着替えを済ませて、針葉駅に向かう。
はぁ、はぁ、はぁ。私は走るのは苦手だけど、私なりのペースで走った。
すると、琴葉が針葉駅の改札口で下に俯いていた。
「琴葉」
私は琴葉を見つけたら、琴葉の元へ駆け寄った。
「大丈夫なの。琴葉」
「今はあそこのコンビニにいる。だから、今のところ大丈夫」
琴葉は少し震えていた。夜ではないけど、見知らない男性につかれるのは気持ち悪い。
「武蔵は連絡取れないの」
「ううん。武蔵は今日バイトだから」
あ、そういえば夏休みは毎日バイト入れるって言っていたもんな。
「…どうする? 琴葉」
琴葉は、数分黙っていた。
「……和歌に迷惑になるけど、少しの間だけ、和歌いてもらっていい?」
琴葉は遠慮がちに私に聞いてきた。
そんなこと気にしなくていいのに、そんな琴葉だから友人として尊敬する。
「大丈夫。私と一緒にいよう」
満面笑みで私は琴葉に答えた。
私がニコニコしてないと琴葉は不安な気持ちが強くなるだけだから。
「じゃあ、まずは警察に行く。そしたら、ストーカーもあっさり逃げるんじゃない。まだ、昼間だし」