応募した部門:フリーテーマ

あらすじ:
宿木町に住む、高校二年生、十七歳の霧野伊都は、夏休みの直前、誘拐されそうになっていた少女を公園で助ける。名前は、立花久美子。頑なに名乗ろうとしないので、伊都は「フーカ」と呼ぶことにする。「家出をした」という彼女と共に過ごすことになった。
一方、不老者研究グループに所属する研究者の唯斗(伊都の兄)と舞子は、不老者(歳を取らない存在)の「立花久美子」を探していた。しかし、久美子は、かつて不老者たちを集め、非人道的な実験を行っていた木下渡という男の手に渡ってしまう。伊都、唯斗、舞子は、久美子の救出に向かい、何とか成功。自由の身となった久美子は、唯斗の元で過ごし、一年後、花火大会の時に、成長した姿で伊都の前に現れる。二人は結ばれ、抱きしめ合う。
季節は流れて冬。久美子は、いつも着ていた母親手作りの青いパーカーを思い出す。あの「青の名前」はなんというのだろう。いつか、自分を売った家族に会う決心がついたら、母に聞いてみよう。久美子は立ち上がり歩き出した。