その日の夜、伊都は二人の人物に、フーカが立花久美子である、というメッセージを送った。
一人は、誠だ。不老者だということをあまり言いふらさない方が良いのは分かっていたが、彼には話しておかないと、結局真相はどうだったのか、しつこく聞かれるような気がした。絶対に他人には言うなと念を押しておいた。
もう一人は兄だ。彼は一応身内の上、研究者であるし、言っておいた方がなにかと相談に乗ってくれるのではと期待したのだ。すぐに、顔が妙にリアルなうさぎの上に「御意」と書いてあるスタンプが送られてきた。前にも似たようなクマのスタンプが送られてきたが、これは新しいシリーズだろうか。
「また新しいの買ってるし……。てか、御意って」
センスが謎だ。思わず吹き出してしまう。
「…………」
用件は伝えたが、メッセージアプリを閉じず、しばらくスタンプを眺めていた。伊都は兄に聞こうかどうか迷っていることがあったのだ。
フーカの話にでてきた、『深瀬唯斗』のことである。名字が深瀬だが、伊都の兄の名前も唯斗なのだ。それに話を聞く限り、どうも兄にそっくりなのである。フーカが風呂に入っている隙に、母にも聞いてみたが、彼女もそう思っていたらしい。なので、この際聞いてみようかと思っていたのだ。
「……まあ、聞いてみるか」
とはいっても、なんと文字を打ったら良いのか分からなかったので、電話で聞くことにした。フーカを起こさないようそっと部屋を出て、トイレに入り、兄に電話をかけた。
一人は、誠だ。不老者だということをあまり言いふらさない方が良いのは分かっていたが、彼には話しておかないと、結局真相はどうだったのか、しつこく聞かれるような気がした。絶対に他人には言うなと念を押しておいた。
もう一人は兄だ。彼は一応身内の上、研究者であるし、言っておいた方がなにかと相談に乗ってくれるのではと期待したのだ。すぐに、顔が妙にリアルなうさぎの上に「御意」と書いてあるスタンプが送られてきた。前にも似たようなクマのスタンプが送られてきたが、これは新しいシリーズだろうか。
「また新しいの買ってるし……。てか、御意って」
センスが謎だ。思わず吹き出してしまう。
「…………」
用件は伝えたが、メッセージアプリを閉じず、しばらくスタンプを眺めていた。伊都は兄に聞こうかどうか迷っていることがあったのだ。
フーカの話にでてきた、『深瀬唯斗』のことである。名字が深瀬だが、伊都の兄の名前も唯斗なのだ。それに話を聞く限り、どうも兄にそっくりなのである。フーカが風呂に入っている隙に、母にも聞いてみたが、彼女もそう思っていたらしい。なので、この際聞いてみようかと思っていたのだ。
「……まあ、聞いてみるか」
とはいっても、なんと文字を打ったら良いのか分からなかったので、電話で聞くことにした。フーカを起こさないようそっと部屋を出て、トイレに入り、兄に電話をかけた。