二日後。久美子は男に、彼女に何があって、どうやってここに来たのかを聞いた。さすがにまだ記憶は鮮明だった。久美子は、出来る限り細かく話した。
自分が不老者だということ。家族と別れ、施設に入っていたこと。実験のことを知り、友達と逃げ出してきたこと。その友達は殺されてしまい、自分だけが逃げてこられたこと。
「……それでここに至ります」
話し終えると同時に、久美子の瞳から涙が溢れた。
「すみ、ません……」
「……いや、謝るのはこちらだ。早速辛いことを思い出せてしまって、すまなかった」
久美子は泣きながら首を横に振った。とめどなく溢れる涙は、一向に止まる気配はない。懸命に涙を拭き、止めようとしている久美子を見て、男は言った。
「辛い時は、思い切り泣いた方がいい。無理をして我慢する必要はどこにもない」
「っ……!」
「私は構わないから、気の済むまで泣くといい」
淡々としているが、優しさを感じた。
「私の……せいでっ……。ごめんなさい。ごめんなさい……!」
どれ程泣いても、何度後悔しても、どうにもならないことは分かっていた。しかし、たった一人の親友を失ってしまった悲しみは、泣くことでしか埋められる気がしなかった。
十七歳の久美子は、まるで幼い少女のように泣きじゃくった。
大切な親友の名前を呼びながら。
自分が不老者だということ。家族と別れ、施設に入っていたこと。実験のことを知り、友達と逃げ出してきたこと。その友達は殺されてしまい、自分だけが逃げてこられたこと。
「……それでここに至ります」
話し終えると同時に、久美子の瞳から涙が溢れた。
「すみ、ません……」
「……いや、謝るのはこちらだ。早速辛いことを思い出せてしまって、すまなかった」
久美子は泣きながら首を横に振った。とめどなく溢れる涙は、一向に止まる気配はない。懸命に涙を拭き、止めようとしている久美子を見て、男は言った。
「辛い時は、思い切り泣いた方がいい。無理をして我慢する必要はどこにもない」
「っ……!」
「私は構わないから、気の済むまで泣くといい」
淡々としているが、優しさを感じた。
「私の……せいでっ……。ごめんなさい。ごめんなさい……!」
どれ程泣いても、何度後悔しても、どうにもならないことは分かっていた。しかし、たった一人の親友を失ってしまった悲しみは、泣くことでしか埋められる気がしなかった。
十七歳の久美子は、まるで幼い少女のように泣きじゃくった。
大切な親友の名前を呼びながら。