「刀祢、卓球あるんだけど! やらない?」
心寧が卓球台を見つけて、嬉しそうに刀祢の浴衣の裾を引っ張る。
「それは良いな。俺も参加しようかな!」
「私は見ているだけでいいわ。3人には敵わないもの」
直哉と莉奈が卓球台を見て、それぞれの意見をいう。
刀祢と心寧と対戦が始まった。2人の間で激しいラリーが続く。
心寧は浴衣の下にシャツを着ているので、浴衣が開けるのも全く気にせず、卓球のラケットを肘を鋭角にして、鋭く振りぬく。刀祢も体を低くして、素早い振りでラケットを振りぬく。
2人の点数は9-9のいい勝負だ。刀祢が気合の入った声を出す。
「ハァア――!」
「ハァィイ――!」
心寧も負けていない。
まるで2人共、剣術の試合で試合をしているようだ。心寧が剣術以外で気迫を出している所を見たのは初めてである。髪をポニーテールにしていないので、艶々した黒髪が乱れる。
2人の試合はデュースになり、延長戦へ。最後に刀祢が2連勝して心寧を負かした。2人の壮絶な試合を見て、直哉は顔を引きつらせる。
「俺、やっぱり卓球止めておくわ」
「2人共、何を本気になってるの。また汗が出ちゃって、温泉に入り直しね」
莉奈にそのことを指摘され、刀祢も心寧もシマッタという顔になり、反省の色を濃くする。
「仕方ない、もう一度、温泉に入るか」
直哉が刀祢の肩を叩く。
「仕方ないわね」
莉奈は心寧の背中を押して、女湯へと入って行った。直哉と刀祢も男湯へ入って行く。
◆
夕暮れになり、川は夕陽で真っ赤に染まる。とてもきれいだ。
全員、2回も温泉に浸かったので、身体の緊張が抜け、ゆったりした格好で、部屋の中で座っている。
直哉と莉奈は座卓に座ってお茶を飲んでいる。刀祢と心寧は窓際の廊下に置かれている椅子に座って川の絶景を見ている。
「お食事を持ってきました」
女中さんが2人カーゴを持って、部屋へ入ってくる。そして座卓の上をきれいに整理すると、料理を座卓の上にならべていく。豪華な会席料理だ。川魚、山菜の天ぷら、焼き魚、ステーキ、色とりどりの料理が並ぶ。
「ここの料理が豪華で上手いんだ」
直哉は自分の家のことのように旅館の料理のことを説明する。刀祢の隣に心寧、莉奈の隣に直哉、座卓に4人が仲良く座って料理を食べる。
「「「美味しい」」」
どれを食べても美味しい。皆、一口食べる度に「美味しい」という声を出して、箸が止まらない。1時間ほど、会席料理を楽しんで皆で楽しく食べる。食べ終わった時には全員、満腹になっていた。
ゆっくりとした後に、ロビーの隣にあるお土産屋へ行って、皆で家に買って帰るお土産を探す。
「今日の記念に4人だけのキーホルダーを買おうよ」
「それはいいな」
莉奈が発案し、直哉が賛成する。刀祢と心寧も笑顔で大きく頷く。
4人でお揃いの色違いの河童のキーホルダーを買う。河童という所が自分達がウケて4人が微笑む。
そして部屋へ戻って来て4人でロビーのカウンターで借りたトランプをして楽しんだ。大富豪をして、刀祢が何故か3連敗する。
1度など、刀祢が勝てると思っていると莉奈に4カードを出され、大貧民に落された。トランプでは、莉奈が強く、次に心寧、そして直哉、ビリは刀祢だった。
やはり勉強のできる者がトランプでも強いのかと、刀祢はある意味、納得した。
「少しの間、2人きりでいたいから隣の部屋を借りるな」
直哉と莉奈が腕を組んで部屋から出ていく。
刀祢と心寧が部屋に置いていかれることになった。ここに来て初めての2人っきりだ。
刀祢の体に妙に緊張が走り、少し顔を赤くなる。それを見た心寧が笑顔で刀祢の後ろへ回って、刀祢の肩から手を回して刀祢の首に抱き着く。
「今日はとても楽しかった。刀祢、本当にありがとう」
耳元に心寧の甘い声が聞こえる。心寧の体から甘くて優しい香りが漂ってくる。
刀祢は振り返って心寧の体を抱きしめて、優しく心寧の頭を自分の膝の上に乗せる。膝枕をされる状態になった心寧は、顔を赤くしながら下から刀祢の顔を見上げる。
「直哉と莉奈は今頃、どうしてるんだろう?」
「多分、同じことをしていると思うぞ」
「そうだね」
刀祢と心寧は見つめ合って互いに微笑む。
心寧は刀祢の首に手を回し、刀祢の膝の上に身体を乗せて間近から刀祢の顔を見つめる。刀祢も心寧の腰を抱きしめる。ウルウルした潤んだ瞳と濡れた唇が刀祢の顔に近づいてくる。
「刀祢、大好き。ずっと一緒にいたい。約束して」
「俺も心寧のことが大好きだ。ずっと一緒にいような。約束だ」
刀祢も顔を近づけて初めて心寧とキスをする。
そして顔を離して、お互いに見つめ合う。
「もう一回」
「何度でも」
お互いにキスを何度も交わした。
心寧が卓球台を見つけて、嬉しそうに刀祢の浴衣の裾を引っ張る。
「それは良いな。俺も参加しようかな!」
「私は見ているだけでいいわ。3人には敵わないもの」
直哉と莉奈が卓球台を見て、それぞれの意見をいう。
刀祢と心寧と対戦が始まった。2人の間で激しいラリーが続く。
心寧は浴衣の下にシャツを着ているので、浴衣が開けるのも全く気にせず、卓球のラケットを肘を鋭角にして、鋭く振りぬく。刀祢も体を低くして、素早い振りでラケットを振りぬく。
2人の点数は9-9のいい勝負だ。刀祢が気合の入った声を出す。
「ハァア――!」
「ハァィイ――!」
心寧も負けていない。
まるで2人共、剣術の試合で試合をしているようだ。心寧が剣術以外で気迫を出している所を見たのは初めてである。髪をポニーテールにしていないので、艶々した黒髪が乱れる。
2人の試合はデュースになり、延長戦へ。最後に刀祢が2連勝して心寧を負かした。2人の壮絶な試合を見て、直哉は顔を引きつらせる。
「俺、やっぱり卓球止めておくわ」
「2人共、何を本気になってるの。また汗が出ちゃって、温泉に入り直しね」
莉奈にそのことを指摘され、刀祢も心寧もシマッタという顔になり、反省の色を濃くする。
「仕方ない、もう一度、温泉に入るか」
直哉が刀祢の肩を叩く。
「仕方ないわね」
莉奈は心寧の背中を押して、女湯へと入って行った。直哉と刀祢も男湯へ入って行く。
◆
夕暮れになり、川は夕陽で真っ赤に染まる。とてもきれいだ。
全員、2回も温泉に浸かったので、身体の緊張が抜け、ゆったりした格好で、部屋の中で座っている。
直哉と莉奈は座卓に座ってお茶を飲んでいる。刀祢と心寧は窓際の廊下に置かれている椅子に座って川の絶景を見ている。
「お食事を持ってきました」
女中さんが2人カーゴを持って、部屋へ入ってくる。そして座卓の上をきれいに整理すると、料理を座卓の上にならべていく。豪華な会席料理だ。川魚、山菜の天ぷら、焼き魚、ステーキ、色とりどりの料理が並ぶ。
「ここの料理が豪華で上手いんだ」
直哉は自分の家のことのように旅館の料理のことを説明する。刀祢の隣に心寧、莉奈の隣に直哉、座卓に4人が仲良く座って料理を食べる。
「「「美味しい」」」
どれを食べても美味しい。皆、一口食べる度に「美味しい」という声を出して、箸が止まらない。1時間ほど、会席料理を楽しんで皆で楽しく食べる。食べ終わった時には全員、満腹になっていた。
ゆっくりとした後に、ロビーの隣にあるお土産屋へ行って、皆で家に買って帰るお土産を探す。
「今日の記念に4人だけのキーホルダーを買おうよ」
「それはいいな」
莉奈が発案し、直哉が賛成する。刀祢と心寧も笑顔で大きく頷く。
4人でお揃いの色違いの河童のキーホルダーを買う。河童という所が自分達がウケて4人が微笑む。
そして部屋へ戻って来て4人でロビーのカウンターで借りたトランプをして楽しんだ。大富豪をして、刀祢が何故か3連敗する。
1度など、刀祢が勝てると思っていると莉奈に4カードを出され、大貧民に落された。トランプでは、莉奈が強く、次に心寧、そして直哉、ビリは刀祢だった。
やはり勉強のできる者がトランプでも強いのかと、刀祢はある意味、納得した。
「少しの間、2人きりでいたいから隣の部屋を借りるな」
直哉と莉奈が腕を組んで部屋から出ていく。
刀祢と心寧が部屋に置いていかれることになった。ここに来て初めての2人っきりだ。
刀祢の体に妙に緊張が走り、少し顔を赤くなる。それを見た心寧が笑顔で刀祢の後ろへ回って、刀祢の肩から手を回して刀祢の首に抱き着く。
「今日はとても楽しかった。刀祢、本当にありがとう」
耳元に心寧の甘い声が聞こえる。心寧の体から甘くて優しい香りが漂ってくる。
刀祢は振り返って心寧の体を抱きしめて、優しく心寧の頭を自分の膝の上に乗せる。膝枕をされる状態になった心寧は、顔を赤くしながら下から刀祢の顔を見上げる。
「直哉と莉奈は今頃、どうしてるんだろう?」
「多分、同じことをしていると思うぞ」
「そうだね」
刀祢と心寧は見つめ合って互いに微笑む。
心寧は刀祢の首に手を回し、刀祢の膝の上に身体を乗せて間近から刀祢の顔を見つめる。刀祢も心寧の腰を抱きしめる。ウルウルした潤んだ瞳と濡れた唇が刀祢の顔に近づいてくる。
「刀祢、大好き。ずっと一緒にいたい。約束して」
「俺も心寧のことが大好きだ。ずっと一緒にいような。約束だ」
刀祢も顔を近づけて初めて心寧とキスをする。
そして顔を離して、お互いに見つめ合う。
「もう一回」
「何度でも」
お互いにキスを何度も交わした。