♪高橋翼
「誰よりもそれを受け入れたくなかった人」
樋口君と話してみて、まだ少し落ち着いていた自分を見つけて驚いた。泣いてしまうと思っていたし、取り乱してしまうと思っていた。でもそんなことはなくて、感情の波はわりと穏やかだった。
病室から出ても、特にこれといって行く所も無かった。「他にも伝えたいことがある人は多い」と樋口君に伝えたのはせめてもの強がり。ただ、今は彼と同じ空間にいたくなかったという理由のために病室から飛び出しただけ。ちょっと大げさだったけど。
まぁ、きっと彼は私が死んでもそこまで動じない人だと思う。ただ、やっぱり私が死ぬことで、取り乱して泣いてしまうくらいの存在にはなっていたいと思ってる。
でも、それでも自分のこの悲劇を誰よりも受け入れたくなかった人は、きっと私。こんな馬鹿みたいな私を、樋口君は笑うのだろうか。
「誰よりもそれを受け入れたくなかった人」
樋口君と話してみて、まだ少し落ち着いていた自分を見つけて驚いた。泣いてしまうと思っていたし、取り乱してしまうと思っていた。でもそんなことはなくて、感情の波はわりと穏やかだった。
病室から出ても、特にこれといって行く所も無かった。「他にも伝えたいことがある人は多い」と樋口君に伝えたのはせめてもの強がり。ただ、今は彼と同じ空間にいたくなかったという理由のために病室から飛び出しただけ。ちょっと大げさだったけど。
まぁ、きっと彼は私が死んでもそこまで動じない人だと思う。ただ、やっぱり私が死ぬことで、取り乱して泣いてしまうくらいの存在にはなっていたいと思ってる。
でも、それでも自分のこの悲劇を誰よりも受け入れたくなかった人は、きっと私。こんな馬鹿みたいな私を、樋口君は笑うのだろうか。