あれから二ヶ月経ち、
季節はすっかり秋になった。

残暑は残っているものの
二ヶ月前に比べれば
大分涼しくなり
過ごしやすくなった。

お義父(おとうさん)も
すっかりよくなり
趣味に没頭してるらしい。

本当によかった。

俺たち四人も
変わらず仲良く暮らしている。

「なぁなぁ、
秋だし葡萄狩り行こうぜ」

紗葵君が突然言い出した。

「お前は何で
何時も唐突なんだよ」

呆れた声を出しつつも
仕方ないという
顔をした大樹君。

『相変わらずだな』

最初から
わかってたような声の葵君。

流石お兄ちゃん!!

『紗葵君、ﾌﾙｰﾂ好きだよな』

そう紗葵君は
ﾌﾙｰﾂが大好物。

「昔から、
野菜は好き嫌いしても
ﾌﾙｰﾂだけは
何でも好きなんだよ」

『じゃぁ、皆の休みが
重なったら行こうか』

社会人の二人に
話しかける。

「そうだな、
後で手帳見てみるか」

『俺も確認してみるな』

そんな他愛もない
話しをして、
朝晩のご飯を皆で食べ
爆笑したり泣いたり。

そんな平和な日常が
壊れるなんて……

しかも、これが
嵐の前の静けさだと、
彼女が強行手段に出るなんて
誰にもわかるはずなかった……