うん。わかった。
と早速、祠の前にしゃがんで、胸の前で手を合わせ、目をつむる。
「猫守さま、猫守さま。濱野美寿穂です。翠を人間に戻してください。お願いです」
頭の中で、願いの言葉を唱える。
そのままの姿勢で、二分ほど待つ。
「ダメみたい。何にも起こらない」
「仁連屋さんの時と、何か違ってないかな?」
「……。そういえば、あの時は、翠も祠の前にいた…」
「なるほど…。じゃぁ、それを試してみよう」
三笠君に言われた事を試そうと、翠を探す。
「ミドリ、ミドリ」
さっき迄、直ぐそばに居たはずなのに、見当たらない。
「ミドリ、ミドリ」
もう一度、その名を呼ぶ。
ミャーオ。
呼びかけに応えるように、欅の木の向こうからミドリが姿を現した。
「翠、こっちに来て」
そう、呼びかける。
ところが、案に反して翠は私に背を向けて、欅の木の陰に姿を隠す。
「翠、こっちに来てってば…」
私は立ち上がって翠の後を追う。
それを知ってか、翠は欅の木の周りを回るように、どんどん先に行く。
ついに、猫守神社の反対側までやってきた。
と早速、祠の前にしゃがんで、胸の前で手を合わせ、目をつむる。
「猫守さま、猫守さま。濱野美寿穂です。翠を人間に戻してください。お願いです」
頭の中で、願いの言葉を唱える。
そのままの姿勢で、二分ほど待つ。
「ダメみたい。何にも起こらない」
「仁連屋さんの時と、何か違ってないかな?」
「……。そういえば、あの時は、翠も祠の前にいた…」
「なるほど…。じゃぁ、それを試してみよう」
三笠君に言われた事を試そうと、翠を探す。
「ミドリ、ミドリ」
さっき迄、直ぐそばに居たはずなのに、見当たらない。
「ミドリ、ミドリ」
もう一度、その名を呼ぶ。
ミャーオ。
呼びかけに応えるように、欅の木の向こうからミドリが姿を現した。
「翠、こっちに来て」
そう、呼びかける。
ところが、案に反して翠は私に背を向けて、欅の木の陰に姿を隠す。
「翠、こっちに来てってば…」
私は立ち上がって翠の後を追う。
それを知ってか、翠は欅の木の周りを回るように、どんどん先に行く。
ついに、猫守神社の反対側までやってきた。