「さぁ、着いたよ」
 三笠君が自転車を止める。
 昨日、私が事故に遭いそうになった交差点だ。
 私と三笠君は自転車を降りる。
 信号は、赤だ。
 この交差点を渡って、そのまま真っ直ぐ進めば私達の高校に着く。

「えーと、猫守神社って…?」
 通いなれた道なので、この辺りの様子は私も知っている。
 でも、猫守神社なんて聞いたことが無い。
「すぐ分かるよ」
 その答えと被るように、信号が青に変わり「カッコウカッコウ」と鳴き始める。

 二人して横断歩道を渡り始めると、
「今度は転ばないように気をつけてね」
 と三笠くん。
―もう、意地悪なんだから―
 と頬を膨らませると
「からかってるんじゃないよ…。ほんとに心配してるんだ」
 と真顔で言われた。

 私の早合点でした、ほんと御免なさい。
 私は三笠くんのとなりで、また小さく赤くなる