「それじゃ、行こうか?」
 と三笠くんが手を差し伸べてきた。
「エッ…と…、どこへ?」
「濱野さんの話だと、まず最初に髭の猫を見つけなくちゃないよね」
「それが…、私、その猫がどこにいるか全然見当がつかないの…」

「あぁ、それなら、今の話で、だいたいの当てはついたんだ」
―すごい! 今の私の話だけで、だいたい見当がついちゃうの?ー
 三笠くんって天才?
 ていうか、ひょっとしてオカルト系の人?
 多分、私がビックリした顔で見つめていたからだろう。
「いや…、その…、単なる当て推量かも知れないんだけど…」
 アセアセしながら、三笠くんが弁明する。

「それでも当てがあるだけ良いです。一体、どこに行けば…」
 と問うと、三笠くんは咳払いをしてから
「猫守《ねこもり》神社《じんじゃ》」
 と答えた。

「猫守神社?」
 初めて聞く名前。どこにあるの、そんなもの。

「まぁ、普通の人は知らないと思うよ」
 と事もなげに三笠くん。
 それを知ってる三笠くんは普通じゃないってこと?
 やっぱり三笠くんって、オカルトの人なの??