そうだ。
 翠に猫になって貰おう。
 それなら、私たち喧嘩しなくて、仲良くできる。
 翠だって、いっぱい私に甘えられて、うれしい筈だよ。
 私も、翠のこと沢山可愛がれるし。
 それがいい。

「ネコさん、ネコさん。願い事が決まりました」

「はいよ。どっこらしょ」
 と髭猫が大儀そうに起き上がって姿勢を正す。
 といっても、猫座りだけど。

「私の妹の翠を、猫にしてくださーい」
 軽やかに願い事を唱える。
「妹を…猫にね…。そりゃ、あんまり感心はせんの…」
「えっ」
「本とにそれで良いんじゃな?」