「そんなに気になるなら、当人に聞いてみれば? てゆうか、コクれば?」
「えー…」
 それが出来れば苦労は無い。私の元気はますます小さくなる。
「出来ないよ…。そんなこと、私…」
 涙目になってきたのが自分でも分かる。
「もう。美寿穂の一番の欠点は、自分に自信がない所。美寿穂は、女の私から見ても
可愛いし、何にでもひた向きだから、あなたのこと嫌いな人なんていないよ」
「でも…」
「それに、三笠君も美寿穂のこと憎からず思ってるんじゃないかな」

 えっ。そうなの。
 ちょっとだけ私の元気が膨らむ。
「まぁ、私の見立てだけどね。だって、三笠君、いっつも美寿穂のことを、遠くから
見てるよ」
「そうなの? 私、三笠君のこと、まともに見れないから…」
「まぁ!! 純情だこと!」
 とアーちゃんに呆れられる。

 とにもかくにも、三笠くんが可愛らしい女の子と一緒だったことは確からしい。
 後悔の霧が、私の回りに立ち込める。
 勇気をだして、自分の思いを伝えておけば良かったのに…。
 思いも伝わらぬまま、私の恋はもうすぐ終わる。
 折角、咲いたのに、誰にも知られぬまま、消えてしまう私の恋心。
 ゴメンネ。恋心さん。私に勇気がないばっかりに…。

 なんて、ポエム作ってるようじゃ、だめなんだ私。
 だけど、何もできないままに最後の補習授業の一日が終わる。出来れば苦労は無い。私の元気はますます小さくなる。