ここに居るのが、だんだん辛くなってきた。
 私は後ろ手にドアを開け、部屋を出ようとする。

 ガサリ。

 何かがドアに擦れる音がした。
 ドアのしたを検めると、紙が挟まっている。
 どうやら、ノートの一ページのようだ。
 拾い上げてみると、何やら書かれている。

『ごめん 翠 お姉ちゃんが悪かった どこにも行かないで』

 翠?
 お姉ちゃん?
 ミドリ…。ミドリ…。
 翠、翠。

 翠の顔が脳内に大写しになる。
 私の全身に衝撃が走る。