ガサリ。
足元で音がした。見ると、ドアの下に何か挟まっている。
見覚えのあるノートの切れ端だ。
拾い上げてみる。
『ごめんなさい。私が居るせいで、お姉ちゃんがいつも悪者にされていた。
その事に気がつかずにいて、本当にごめんなさい。
私は家を出ます。今迄、ありがとうございました。』
翠の字だ。
慌てて自室を飛び出し、翠の部屋のドアを開ける。
誰も居ない。
ベッドは綺麗に整えられ、机の上もいつになくきちんと整頓されている。
―本当に家出した?―
心臓を鷲掴みされたように、体が震えあがる。
翠の部屋に入って、様子を確かめる。
外出時に持ち歩くリュックが無い。
お気に入りのコミックが本棚から抜かれている。
パジャマも、翠の大好きなアニメキャラの縫いぐるみも消えている。
私の脳裏に、大切な持ち物を泣きながらリュックに詰め込む翠の姿が浮かぶ。
「ほんとに…家出したんだ」
足元で音がした。見ると、ドアの下に何か挟まっている。
見覚えのあるノートの切れ端だ。
拾い上げてみる。
『ごめんなさい。私が居るせいで、お姉ちゃんがいつも悪者にされていた。
その事に気がつかずにいて、本当にごめんなさい。
私は家を出ます。今迄、ありがとうございました。』
翠の字だ。
慌てて自室を飛び出し、翠の部屋のドアを開ける。
誰も居ない。
ベッドは綺麗に整えられ、机の上もいつになくきちんと整頓されている。
―本当に家出した?―
心臓を鷲掴みされたように、体が震えあがる。
翠の部屋に入って、様子を確かめる。
外出時に持ち歩くリュックが無い。
お気に入りのコミックが本棚から抜かれている。
パジャマも、翠の大好きなアニメキャラの縫いぐるみも消えている。
私の脳裏に、大切な持ち物を泣きながらリュックに詰め込む翠の姿が浮かぶ。
「ほんとに…家出したんだ」