「おうっ。思い出したわい。オクデラじゃ。オクデラ・カモンが、あ奴の名前じゃ」
「そうですか……。やっぱり……」
三笠君、何を納得しなのか、盛んに頷いている。
「どうしたの? 三笠君。カモンさんて誰なの?」
「奥寺彩愛さんの話、覚えてる。彩愛さんの先祖のソウベエさんの話」
「覚えてる……けど」
「カモンさんとソウベエさんは、同一人物だよ。カモンって、こんな字を書くんだ」
そういって、三笠君がスマホの画面に『掃部』という字を書いてみせた。
「彩愛さんは、これをソウベエと読んだんだよ、きっと」
「カモンさんとソウベエさんが同一人物だとして、それが恩返しと、どういう関係が
あるの?」
「いいかい。仁連素子さんと彩愛さんの話を纏めるとこうだ。最初に奥寺掃部さんが
ネコモリサマを助けた。それがお陰で、猯穴古墳に猫守神社が建った。そのあとに、
仁連佐七さんがネコモリサマを助けて、仁連和菓子店の場所に猫守神社が移った」
「ふんふん」
「これが僕たちが知ってる歴史。だけど、ネコモリサマの体感した順番は逆なんだ。
佐七さんの恩返しが先で、掃部さんの恩返しが後」
「ん? どういうこと」
「つまり。ネコモリサマは、時間を自由に行き来できるってことさ」
「そうか。そういえば、ネコモリサマ、自分に歳の事を聞くのは無意味だって言って
いた」
「うん、間違いない。ネコモリサマは時間を行き来できる。これで、上手くいくかも
しれない」
「どうやって?」
「それは、直ぐにわかる」
「そうですか……。やっぱり……」
三笠君、何を納得しなのか、盛んに頷いている。
「どうしたの? 三笠君。カモンさんて誰なの?」
「奥寺彩愛さんの話、覚えてる。彩愛さんの先祖のソウベエさんの話」
「覚えてる……けど」
「カモンさんとソウベエさんは、同一人物だよ。カモンって、こんな字を書くんだ」
そういって、三笠君がスマホの画面に『掃部』という字を書いてみせた。
「彩愛さんは、これをソウベエと読んだんだよ、きっと」
「カモンさんとソウベエさんが同一人物だとして、それが恩返しと、どういう関係が
あるの?」
「いいかい。仁連素子さんと彩愛さんの話を纏めるとこうだ。最初に奥寺掃部さんが
ネコモリサマを助けた。それがお陰で、猯穴古墳に猫守神社が建った。そのあとに、
仁連佐七さんがネコモリサマを助けて、仁連和菓子店の場所に猫守神社が移った」
「ふんふん」
「これが僕たちが知ってる歴史。だけど、ネコモリサマの体感した順番は逆なんだ。
佐七さんの恩返しが先で、掃部さんの恩返しが後」
「ん? どういうこと」
「つまり。ネコモリサマは、時間を自由に行き来できるってことさ」
「そうか。そういえば、ネコモリサマ、自分に歳の事を聞くのは無意味だって言って
いた」
「うん、間違いない。ネコモリサマは時間を行き来できる。これで、上手くいくかも
しれない」
「どうやって?」
「それは、直ぐにわかる」