「そんな……、そんな……、そんなの駄目だよ。直ぐに中止して貰おう」
「ううん。いいの、このままで。翠を人間に戻す方法はこれしかないの。私は、翠を
人間に戻すのが一番の望み」
「でも、それじゃ、君が……」
「私は今まで充分幸せだった。次は翠が幸せになる番。それに、私は三笠君に思いを
伝える事ができた。三笠君。私、あなたの事を好きでいられて幸せだった。だから、
この幸せな気持ちのまま、お別れさせて」
駄目だ。
三笠君が、私を抱きしめる。
「駄目だ。駄目だよ。君が居なくなるなんて。君を、君を失いたくない」
三笠君の声が震えている。三笠君が私のために泣いてくれているんだ。
と、思う間もなく三笠君が体を離す。
「ネコモリサマ! 今の濱野さんの願いはキャンセルだ。濱野さんを猫にする願いは
中止にしてください!」
三笠君が、空中部屋のあった辺りの場所に向かって大声を張りあげる。
「ネコモリサマ! 今の願いはキャンセルだ。中止にしてくれ!!」
返事はない。三笠君が、四方に向かって叫び続ける。
「ネコモリサマ! ネコモリサマ! やい! 髭猫。出てこい! 願いはキャンセル
だ。今すぐ、中止にしろ」
「私が呼ばないと、ネコモリサマは出て来てくれないと思う」
と三笠君に告げる。
「じゃぁ、ネコモリサマを呼び出して……。そして、願いを中止にして」
「でも……」
「翠ちゃんを戻す方法なら他にあるんだよ。ネコモリサマを呼び出して、今の願いを
中止にしてくれ……。僕のために」
僕のために。その言葉が、私の胸に響く。
「ネコモリサマ。ネコモリサマ。お話したいことがあります。出てきてください」
返事がない。空中部屋からの唸り音だけが聞こえる。
「ネコモリサマ。ネコモリサマ」
「ううん。いいの、このままで。翠を人間に戻す方法はこれしかないの。私は、翠を
人間に戻すのが一番の望み」
「でも、それじゃ、君が……」
「私は今まで充分幸せだった。次は翠が幸せになる番。それに、私は三笠君に思いを
伝える事ができた。三笠君。私、あなたの事を好きでいられて幸せだった。だから、
この幸せな気持ちのまま、お別れさせて」
駄目だ。
三笠君が、私を抱きしめる。
「駄目だ。駄目だよ。君が居なくなるなんて。君を、君を失いたくない」
三笠君の声が震えている。三笠君が私のために泣いてくれているんだ。
と、思う間もなく三笠君が体を離す。
「ネコモリサマ! 今の濱野さんの願いはキャンセルだ。濱野さんを猫にする願いは
中止にしてください!」
三笠君が、空中部屋のあった辺りの場所に向かって大声を張りあげる。
「ネコモリサマ! 今の願いはキャンセルだ。中止にしてくれ!!」
返事はない。三笠君が、四方に向かって叫び続ける。
「ネコモリサマ! ネコモリサマ! やい! 髭猫。出てこい! 願いはキャンセル
だ。今すぐ、中止にしろ」
「私が呼ばないと、ネコモリサマは出て来てくれないと思う」
と三笠君に告げる。
「じゃぁ、ネコモリサマを呼び出して……。そして、願いを中止にして」
「でも……」
「翠ちゃんを戻す方法なら他にあるんだよ。ネコモリサマを呼び出して、今の願いを
中止にしてくれ……。僕のために」
僕のために。その言葉が、私の胸に響く。
「ネコモリサマ。ネコモリサマ。お話したいことがあります。出てきてください」
返事がない。空中部屋からの唸り音だけが聞こえる。
「ネコモリサマ。ネコモリサマ」