二十メートルほど進んだ所で翠が立ち止まる。
真っ白い草原のただ中で、何もない。
翠は地面から顔を上げて、空中のニオイを嗅ぎはじめた。
ん?
と思っていると、突然翠が跳び上がって、空中の何かを引っかいた。
翠が引っ掻いた辺りの景色が歪む。
翠が、その歪みの一旦を口に喰える。
翠は、その喰わえた何かを引っ張るように後退りする。
すると、カーテンがまくれあがるようにして、空中に部屋が現れた。
空中部屋の中には、半透明のガラス細工のようなパイプが絡み合っている。
そのパイプ類は、赤・青・黄・緑、色鮮やかな蛍光色で明滅している。
何かの装置なのだろうか。
その装置の陰に、隠れるように丸まっているネコモリサマが居た。
「ネコモリサマ! 見つけましたよ。隠れてないで出て来てください」
ちっ、しょうがないのう。
舌打ちをして、ネコモリサマが空中の部屋からおりてくる。
「翠は見つけました。今度こそ、翠を元に戻してください!」
「またそれかぁ。しつこいのう」
「何言ってるんですか! 約束したでしょ、早く翠を人間に戻して!!」
ネコモリサマのはぐらかすような態度に、頭に血がのぼってくる。
普段は大人しい私も、命令口調になってくる。
真っ白い草原のただ中で、何もない。
翠は地面から顔を上げて、空中のニオイを嗅ぎはじめた。
ん?
と思っていると、突然翠が跳び上がって、空中の何かを引っかいた。
翠が引っ掻いた辺りの景色が歪む。
翠が、その歪みの一旦を口に喰える。
翠は、その喰わえた何かを引っ張るように後退りする。
すると、カーテンがまくれあがるようにして、空中に部屋が現れた。
空中部屋の中には、半透明のガラス細工のようなパイプが絡み合っている。
そのパイプ類は、赤・青・黄・緑、色鮮やかな蛍光色で明滅している。
何かの装置なのだろうか。
その装置の陰に、隠れるように丸まっているネコモリサマが居た。
「ネコモリサマ! 見つけましたよ。隠れてないで出て来てください」
ちっ、しょうがないのう。
舌打ちをして、ネコモリサマが空中の部屋からおりてくる。
「翠は見つけました。今度こそ、翠を元に戻してください!」
「またそれかぁ。しつこいのう」
「何言ってるんですか! 約束したでしょ、早く翠を人間に戻して!!」
ネコモリサマのはぐらかすような態度に、頭に血がのぼってくる。
普段は大人しい私も、命令口調になってくる。